アルハザードの遺産

      2016/05/23


著者 : 新熊 昇
青心社文庫
ISBN4-87892-063-7


STORY

古代アッシリア王国は、魔道師である王兄、マシュ・シュム・ウキンの謀反により壊滅の危機にあった。
絶大なる魔力を誇るウキン公は、魔物を呼び寄せて、王国を攻め立てたのだ。
日増しに悪化の一途を辿る戦況の中、アブドゥル・アルハザードと名乗る、異境から来た魔道師が現れた。
彼は、首尾良く、敵軍の魔物を退け、それにより戦いはアッシリア王国の勝利に終わった。
自らの手柄に対する報酬は何もいらないという、アルハザードの真の目的とは…?

(アッシュールバニパルの焔の由来)


本書は、「クトゥルー」1~10を出版している青心社初の、日本人作家によるクトゥルー神話である。
アッシュールバニパルの焔の由来」、「傀儡戦争」、「カルナクの棺」の3話のオムニバス形式となっており、どれも非常に面白く読める。
どの作品も、アルハザードを中心に物語が進んでゆく。

ホラーを期待すると、期待外れかもしれない。むしろ、ファンタジーとして読んだほうが良いだろう。

 - 日本のCthulhu神話