Cthulhu神話とは?

   

クトゥルー神話とは、20世紀最大の恐怖作家と呼ばれるH・P・ラヴクラフトの創作した小説を母体とする、一連の恐怖小説の事を指します。

Cthulhu

創始者ラヴクラフトはアメリカ、ロードアイランド州プロヴィデンスに生まれ、46年という短い生涯の殆どをその土地で過ごしました。
ラヴクラフトは、彼の作品中に出てくるアーカムやネクロノミコンといった固有名詞を好んで作家仲間や弟子に使わせ、また、彼が副業として行なっていた新人作家の小説の添削の際にも、自分の作品中のアイテムを忍び込ませる事があったようです。こうして、ラヴクラフト自身の作品だけでなく、他の作家の作品にも、共通の世界が広がっていきました。これが、クトゥルー神話の始まりです。これらの作家仲間には、「サイコ」で有名なロバート・ブロック、「コナン・シリーズ」のロバート・E・ハワードなどが含まれています。
残念な事に、ラヴクラフトの存命中は、クトゥルー神話はあまり世間の人々に受け入れられる事はありませんでした。しかし、彼の死を惜しむ弟子、オーガスト・ダーレスが「アーカム・ハウス」という出版社をつくり、ラヴクラフトの作品を出版し続けました。また、それと同時に、ダーレス自身も作品を書き続けていったのです。
ダーレスは、クトゥルー神話に<旧神> vs <旧支配者>といった善悪関係や、四大精霊になぞらえた邪神達の相関関係といった、独自の解釈を持ち込みました。今日、クトゥルー神話の基本的設定と見なされているこれらの概念は、ダーレスよって創り出されたものです。
彼の努力が実り、今日までに、本当に多くの作家がクトゥルー神話作品を書いています。一例を挙げると、「アウトサイダー」で有名になったコリン・ウィルソン、今やホラー小説の大御所、スティーブン・キングなど目白押しです。日本では、栗本薫の「魔界水滸伝」、風見潤の「クトゥルー・オペラ シリーズ」をはじめ、朝松健、友成純一、菊地秀行 他多くの作家が作品を手がけています。
また、映画では、「ネクロノミカン」「ゾンバイオ/死霊のしたたり」他がクトゥルーものの作品として、世に出ています。
音楽でも影響を受けている作品は多く、有名な所では、アメリカのヘヴィーメタル・バンド「メタリカ」は、メンバー全員がラヴクラフトのファンで、“Call of Ktulu”という曲を出しているくらいです。
さらにゲームにも、クトゥルー作品を題材としたものがあり、ファンがたくさんいます。

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