二重螺旋の悪魔
[著者]梅原 克文
[初出]SF同人誌「宇宙塵」188号、189号掲載「二重ラセンの悪魔」を元に書き下ろし
STORY
かつて、この地球を支配した<旧支配者>が<旧神>によって封印された場所は、南太平洋の深海でも、遥か遠い星の湖の底でもなく、人間の遺伝子の中だった!
バイオ・テクノロジーの研究者である主人公、深尾 直樹は研究の過程で、封印されていた<旧支配者>を現代に蘇らせてしまう。事件をきっかけとして、戦いに巻き込まれていく深尾・・・。地上に溢れ出す<旧支配者>とハイテク武装した人類との戦いの行方は?そして、謎の<旧神>の真の目的とは?
本作品を「クトゥルー神話」として位置づけるべきかどうかは非常に微妙なところだが、読み物としては文句無しに面白い。
<旧支配者>が封印されているのは、人間のDNAの中の「イントロン」という部分であるという斬新な発想の元、豊富な科学的データを土台としてストーリーが組み立てられている。お薦めの作品である。