クトゥルー・オペラ
[著者]風見 潤
全宇宙を魔王アザトートの思念が駆け巡った。
「その星を、いま一度、この手に」
それに呼応して、宇宙のさまざまな場所で、邪悪なものが蠢きはじめた。遠い昔、善神との戦いに破れて封印されていた邪神たちが目覚め始めたのだった。
1997年、邪神の目覚めと共に、地球では不気味な事件が相次いで起こっていた。
邪神を迎え撃つのは、世界各地に散らばった7組の双子のエスパー少年、少女。彼らは、地球を救えるのか!?
クトゥルー神話をスペース・オペラ風に仕上げてしまった作品。
ラヴクラフト風というより、思いっきり、ダーレス流の作品である。
初版が昭和55年(!)となっているので、今から見ると、出てくる科学兵器などは、ちゃちに見えなくもないが、主人公である少年、少女たちが、自らの限られた超能力を駆使して邪神に戦いを挑む部分は、面白く読める。
物語の最後では、世界各地の神話の中の神々(あくまでも、この作品の中のね)の正体も明らかになるのだ。