アルハザードの逆襲

      2016/05/24


著者 : 新熊 昇
青心社文庫
ISBN4-87892-080-7


STORY

地中海に浮かぶサントリーニ島に住む漁師、ステファノは少年の頃、ひょんなことから宝の地図を手に入れる。ところが、無学な彼には、そこに書いてあるアラビア文字を読むことができない。
悶々とした日々が続く中、彼は、不気味なアラビア人のガイドをすることになる。彼こそ、魔導士アルハザードなのだが、地図に書いてある文字の内容を知りたくてアルハザードに近づいたステファノの運命はどうなるのか?

(サントリーニの迷宮)


新熊 昇によるクトゥルー神話大系、第2弾。
「真紅の砂漠」、「サントリーニの迷宮」、「奈落の文様」、そして表題作の「アルハザードの逆襲」の4編から成る。
前書「アルハザードの遺産」と同様、どの作品も非常に面白い。
上記の「サントリーニの迷宮」は、漁師ステファノが偶然手に入れた伝説の呪文で、アルハザードの召喚した化け物と戦う話。
この呪文は、どのような相手でも読むだけで死にいたらしめる恐怖の呪文。アラーが預言者マホメットに授けたという設定になっているが、マホメットも、この物語の主人公ステファノと同様に文盲であったという事を知っておけば、より楽しめるかもしれない。
普通の漁師であった主人公が、かつてない魔導士に成長していく姿が楽しめる作品となっている。

 - 日本のCthulhu神話