クトゥルー、海老を食う!

   

オウムガイ

オウムガイ

クトゥルー、海老を食う!」
もちろん、嘘である。ミス予備理事長は、最近、オウムガイに凝っている。ご存知、クトゥルーは「蛸のような」とか「烏賊のような」などと描写される事が多い。オウムガイはこれら、蛸、烏賊と同じ頭足類の仲間である。しかし、私の頭の中では、オウムガイの形状の方が、ずっとクトゥルーに近いのだ。まず、眼が嫌だ。蛸、烏賊の眼は人間を含む脊椎動物と同じ構造をしているのに、オウムガイのそれは構造からして違う。次にあの触手である。蛸、烏賊の触手は昔から、8本、10本と相場が決まっているが、オウムガイの触手は60から90本と大変多く、それぞれが筋肉質の鞘に納まっている。餌を捕らえるときに「しゅるしゅるしゅる~」と伸びて来るのだ。おまけに、蛸、烏賊のように吸盤が付いているわけでもない。その代わりに、細かいヒダがあり、粘液でくっつくのだ。ウネウネのベトベトなのである。
ところで、フィリピンの漁師さんたちはオウムガイを食用にしているそうだ。そんなにおいしいものではないそうだが、ラブクラフティアンなら一度は食してみたいものだ。心の中で「ドノヴァンとゲレラとアームストロングの敵だ~!」と思いつつ、オウムガイの肉を口に運ぶというのもまた一興である。

 - 研究レポート